イベント情報
第120回ニューフロンティア材料部会例会
食糧危機立ち向かう食糧生産の新たな試み
~代替食品素材と化学肥料や農薬等に頼らない農業資材などの新技術~
ご 案 内
大規模農法や近代的な農業技術の導入により単位面積あたりの収穫は増えていますが、温暖化や塩害などによる耕地面積の減少などもあり、増え続ける人口に対する農業などの食糧生産力が追いつかなくなることが危惧されています。さらに国際紛争の影響などによる肥料、農薬などの農業資材の価格高騰も食糧生産を悪化させる要因となっています。近年、植物栽培による農業ではなく、施設内での醗酵生産による農産物、畜産物などの代替食糧生産が盛んに検討されています。また、植物自体の持つ高温耐性、耐塩性などの潜在能力を向上させる化合物が確認されており、バイオスティミュラントという肥料や農薬に頼らない資材として注目されています。
今回の講演会では、話題提供1 題目として新潟薬科大の高久教授より、酵母を用いた代替食用油脂の醗酵生産についてご紹介いただきます。2 題目の神戸大学の山内准教授には香気成分の農業への利用についてご紹介いただきます。新技術紹介の代替食糧生産関連では、高騰するカカオ油脂の代替油脂調製などの油脂改質技術について不二製油の三原様に、ヤエガキ醗酵技研の鈴木様からはキノコを用いた代替タンパク質素材についてご紹介いただきます。続いてバイオスティミュラント関連では、植物の香気成分を利用した植物の機能向上素材ついてファイトクロームの河合様より、またナガセヴィータの東山様からはトレハロースの農業への利用についてご紹介いただきます。
身近な課題である食糧の、持続的な生産について興味深い試みを勉強できる絶好の機会となっていますので、多数の皆様のご参加をお待ちしております。
事業名 | 第120回ニューフロンティア材料部会例会 |
開催日 | 2025年7月29日(火) 13:00より |
場 所 | (地独)大阪産業技術研究所 森ノ宮センター 3階 大講堂 |
定 員 | 100名(申込先着順) |
参加費 | 12,000円(消費税込) 銀行振込または当日現金払い |
パンフレット | 【PDF】第120回ニューフロンティア材料部会例会 |
プログラム
◎ 話題提供(13:00 ~ 15:05)
1.油脂酵母によるパーム油代替油脂の高発酵生産とその応用 (13:00~14:00)
(スピーカー) 新潟薬科大学 応用生命科学部 学部長/教授 髙 久 洋 暁 氏
(コーディネーター) サラヤ株式会社 松 村 玲 子 氏
油脂酵母Lipomyces starkeyi は糖から食用油脂の主成分であるトリアシルグリセロール(TAG)を発酵生産できる魅力的な酵母である。その産生TAG の脂肪酸組成はパーム油と類似しているため、代替油脂として期待されている。本講演では、油脂酵母L. starkeyi のTAG 生産性向上への分子育種及びテーラメイド油脂発酵生産へ向けた応用について概説する。
2.植物の情報発信力とは?〜香り物質を介した植物のコミュニケーション能力〜 (14:05~15:05)
(スピーカー) 神戸大学大学院 農学研究科 准教授 山 内 靖 雄 氏
(コーディネーター) 大阪有機化学工業株式会社 赤 石 良 一 氏
植物は、周りの生き物とコミュニケーションをとるための情報発信力を持っており、その最大の手段が植物により作り出される多種多様な香り物質である。本講演では、植物の情報発信力を農業技術へ応用することを目指して現在取り組んでいる、有力な情報源となる香り物質のスクリーニングとそれら香り物質の情報内容の解析方法を紹介する。
◎ 新技術・新製品紹介 (15:15〜17:15)
① 油脂加工技術と食品への応用 (15:15~15:45)
不二製油株式会社 三 原 笑 氏
弊社は独自の油脂加工技術を通じて、美味しさと機能性を両立させた食用植物油脂を開発している。これらを活用した高品質なチョコレート用油脂は世界トップ3 のシェアを有しており、昨今のカカオ豆高騰に対して貢献している。また、独自の抗酸化技術の活用により、健康市場といった新領域への展開も進めている。本講演では、油脂加工技術の特徴と様々な食品への応用について紹介する。
② 日本における代替タンパクの開発事例紹介:独自のキノコ菌糸体を用いたマイコプロテインについて (15:45〜16:15)
ヤヱガキ醗酵技研株式会社 研究開発戦略室 鈴 木 義 充 氏
現在動物性タンパクの代替タンパクとして、キノコタンパク質の研究開発が各国で進められている。弊社では麹菌からキノコまで真菌菌糸体の液体培養技術を持ち、その技術を応用した味質、収量、培養期間の短縮に優れた菌株を用いた代替肉としてのアプリケーションを確立した。本講演では原料メーカーとしてこれまでの弊社のマイコプロテイン研究開発の取組みと市場可能性について紹介する。
③ 緑の香りを利用した農業資材「すずみどり」の開発 (16:15〜16:45)
株式会社ファイトクローム 取締役 開発・製造本部長 河 合 博 氏
近年、農業界では従来の農薬や肥料とは異なる製品群「バイオスティミュラント(以下BS)」が注目を浴びている。植物の潜在能力を最大限に引き出すBS の施用で、高温などの環境ストレスからくる減収や品質低下を最小限に抑えることが出来るとされている。今回は、BS 関連の話題提供および、緑葉の香り成分ヘキセナールを利用したBS 製品「すずみどり」の開発経緯と事例について紹介する。
④ 持続可能な農業に貢献するトレハロースの新展開 (16:45〜17 :15)
ナガセヴィータ株式会社 研究技術・価値づくり部門 バイオアグリサイエンスユニット 東 山 隆 信 氏
トレハロースは量産化以来、優れた機能性素材として食品業界で広く利用されているが、近年農業分野においてバイオ資材の品質を維持する効果が注目されている。さらに、トレハロース自体も干ばつなどの環境ストレス下で作物の生育を助けるバイオスティミュラント効果を有することが確認され、持続可能な農業に貢献する素材として期待が高まっている。
◎ 名刺交換会 (17:15〜17:30)
申込要領
定 員 100名(申込先着順)
申 込 方 法 〇WEB からの申込み:当協会のホームページの中の
「お問い合わせ(イベント・セミナーの参加お申込み)」
https://osakaira.com/event)からお申込み下さい。
〇FAX、E‐mail からの申込み:申込書にご記入後、
ご送付ください。
申 込 締 切 日 2025 年7 月18 日(金)
参 加 費 12,000 円(消費税込) 銀行振込または当日現金払い
お問い合せ先 E-mail:info@osakaira.com TEL(0 6)6962-5307
FAX(06)6963-2414