イベント情報
特別セミナー
ここまで来た! 水素エネルギー社会の実現に向けて
現在、石油に代わる人類究極のエネルギーとして、水素エネルギーが注目されています。これは、水素エネルギーが、安定的確保が難しい化石燃料に依存しているという日本のエネルギー課題を解決できるとともに、利用時に二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーであるためです。
水素をエネルギー源として用いるシステムは、燃料電池自動車や家庭用燃料電池コージェネレーションシステムとしてすでに製品化されており、水素利用技術に関しては、日本が世界の先頭を走っています。さらに水素を現実的に石油代替のエネルギー源とする水素エネルギー社会の実現のために、各分野でのさらなる研究が続けられています。そのような中、2017年12月に、「水素基本戦略」が閣僚会議で決定され、国家戦略として本格的な水素利活用ビジョンが提示されました。以来、約2年のあいだに、水素製造・運搬・貯蔵(サプライチェーン)、水素発電、Power to Gasなどを効率的かつ大規模に実施する研究や実証実験が、様々な機関でおこなわれています。そして、こうした加速するとりくみの中に、材料開発、加工プロセス、システム構築などに関する技術革新の可能性が秘められています。
本セミナーでは、水素利用技術開発でご活躍中の産学官の講師の方々にご講演をいただくことで、水素エネルギー社会に向けたとりくみの“今”を紹介したいと存じます。研究者、技術者はもとより企画・営業開発に携わっておられる方々にも、今後の仕事の参考になり、また活用していただけるものと考えております。
ぜひ、この機会に多数ご受講いただきますようご案内申し上げます。
事業名 | 特別セミナー |
開催日 | 2019年12月12日(木) 9:30~16:35 |
場所 | (地独)大阪産業技術研究所 森之宮センター |
主催 | (一社)大阪工研協会 |
後援 | (地独)大阪産業技術研究所 |
協賛 | (一社)近畿化学協会 |
パンフレット | 【PDF】特別セミナー |
-セミナー内容-
◎ 水素社会の実現に向けた政策の動向とNEDOの取り組み ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………. (9:30~10:40)
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 次世代電池・水素部 横 本 克 巳
我が国では水素社会実現に向けて、将来目指すべき姿や方向性を示した「水素基本戦略」を2017年12月に策定、2019年3月には「水素燃料電池戦略ロードマップ」が改訂され、具体的な取組方針が明確化されました。2009年に市場導入された家庭用燃料電池(エネファーム)は2019年3月末の時点で30万台以上、2014年に市販開始された燃料電池自動車(FCV)も現在は約3,300台、水素ステーションも108ヶ所の整備が進み、着実に水素社会の実現に向けた取組みが進められています。本講演では水素に関連した日本をはじめ各国の取組み状況と、NEDOが水素社会の実現に向けて推進している、水素製造から利用までの様々な用途に応じた研究開発事業を紹介します。
◎ 旭化成におけるCO2フリー水素製造に関する取組み …………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………….. (10:50~12:00)
旭化成㈱ クリーンエネルギープロジェクト エネルギーシステム開発部 臼 井 健 敏
旭化成では、世界トップの食塩電解技術を応用し、高効率で電力変動追随性に優れたCO2フリー水素製造用のアルカリ水電解システムの開発に成功、市場立上りが迫る欧州P2G市場を中心に、大型設備での市場参入を目指している。本発表ではその背景、検討状況、今後の展開等について紹介する。
◎ 水素ステーションの普及と再エネ由来水素ステーションへの課題 ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………. (12:45~13:55)
㈱神鋼エンジニアリング&メンテナンス 常務取締役 清 水 邦 彦
燃料電池自動車への転換を都市環境対策・CO2削減対策の鍵として位置づけ、各国で水素ステーションの建設が進められはじめている。水素ステーション用機器開発と建設さらに固体高分子型水電解水素製造装置の主要な設備メーカーとしての、再エネ由来水素ステーションの開発実証の取り組みを通して水素エネルギー社会の実現に向けた水素ステーション普及の現状と再エネ由来水素利用の課題と展望についてご紹介したい。
◎ 水素吸蔵合金を利用した熱による水素の化学昇圧 ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………. (14:05~15:15)
広島大学 大学院工学研究科 教授 市 川 貴 之
一般的に水素吸蔵合金は、圧縮水素の代替用として低圧で水素を高密度にし、簡便に水素を吸蔵放出することを目的に開発されてきた。一方、本研究では,この水素吸蔵合金を積極的に高圧発生に利用することを考えた。水素吸蔵合金の熱力学特性として、温度変化に伴って水素放出圧が指数関数的に変化することが知られている。この特性を利用して、160 ℃程度の温度で、80 MPaもの高圧を得ることに成功した。講演では,その利用方法について、詳細に紹介したい。
◎ 国際水素サプライチェーン構築と水素ガスタービン開発への取組み ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………. (15:25~16:35)
川崎重工業㈱ 技術開発本部 水素チェーン開発センター 吉 山 孝
本講演では、水素利用に向けた世の中の動きを始め、国がエネルギー基本計画にも掲げて推進している海外からのCO2フリー水素サプライチェーンの概念、豪州の未利用資源の褐炭からの水素製造、実施中の日豪間の液化水素運搬船によるパイロット実証、および神戸ポートアイランドにて熱電供給実証を実施した純水素を燃料とした水素ガスタービンについて紹介します。
申込要領
◎受 講 費 …… 大阪工研協会会員 13,200円
協 賛 団 体 会 員 13,200円
一 般 22,000円
◎定 員 …… 100名(申込先着順)
◎申込〆切日 …… 2019年12月2日(月)
◎申 込 方 法 …… 申込書に必要事項を明記のうえお申し込みください。 WEB(イベント情報)からの申込みも可能です
◎申込・問合せ先 ……(一社)大阪工研協会
〒536-8553 大阪市城東区森之宮1-6-50
(地独)大阪産業技術研究所 森之宮センター内
TEL 06-6962-5307 FAX 06-6963-2414
E-mail:info@osakaira.com https://www.osakaira.com
◎送 金 方 法 …… 現金書留または三菱UFJ銀行今里北支店「大阪工研協会講習会事務局」普通預金口座(口座番号0979828)へ
◎参 加 証 …… 受講費払込みと同時に発行いたします。 お申込みいただいたお名前等の個人情報は、受講確認および今後の講習会ご案内以外の目的には使用いたしません。