イベント情報

第117回ニューフロンティア材料部会例会

産業化への期待がふくらむグリーンバイオ・ものづくり

―木質材料、発酵材料等の利用と藻類によるバイオ燃料生産―

ご  案  内

地球環境に負荷をかけず、持続可能な物質生産に役立つ技術として、生物や生体機能を利用したものづくりが期待されています。石油などの化石原料にあまり依存せず、再生可能な植物、微生物などを用いたものづくりは、資源の枯渇や温暖化の抑制などに対する解決策の一つとして、研究開発が盛んに行われている分野です。このように大きな期待を持たれているバイオものづくりですが、化学反応に比較した生産効率の低さなどが障害となり、未だ育成段階にあるというのが現状です。そこで今回の講演会では、話題提供1 題目として近畿経済産業局の中西様より、バイオものづくりに対する国や近畿経済産業局の施策、取り組みなどをご紹介いただきます。2 題目の京都大学の宮下教授には、微細藻類を用いたバイオ燃料やバイオマス生産のための様々な課題についてご紹介いただきます。企業よりの新技術紹介では、最初に微生物が作る界面活性剤についてサラヤ様より、続いて木質材料からのロジンの利用について荒川化学様より、同じく木質材料からのセルロース類について、フィルター等への利用を安積濾紙様より、また球状セルロースの商品展開等をレンゴー様よりご紹介いただきます。最後にはグリーンバイオで期待される微細藻類からのバイオ燃料等の生産について、クボタ様よりご紹介いただきます。バイオものづくりにおける産業化への期待や課題について、行政からの後押しなども含めた構成にできましたので、多くの皆様にご興味を持っていただける内容になっております。多数の皆様のご参加をお待ちしております。なお、講演終了後に、講師の方々との名刺交換のための時間をもうけさせていただく予定です。

事業名  第117回ニューフロンティア材料部会例会
開催日  2024年7月26日(金) 13:00より
場 所 (地独)大阪産業技術研究所  森ノ宮センター 3階 大講堂
定 員 100名(申込先着順)
参加費  12,000円(消費税を含む。当日受付にていただきます)
パンフレット  【PDF】第117回ニューフロンティア材料部会例会

プログラム

◎ 話題提供

1.バイオものづくりの現状と社会実装に向けた近畿経済産業局の取組  (13:00~13:30)

  (スピーカー) 近畿経済産業局 地域経済部バイオ・医療機器技術振興調査官 中 西 龍 一 氏

  (コーディネーター) 江崎グリコ株式会社 寺 田 喜 信 氏

近年、合成生物学やデジタル技術の進展に伴い、微生物等のはたらきによって素材・燃料・食品などを生産する「バイオものづくり」の実用化に向けた取り組みが進んでおり、政府でも社会課題と経済成長を両立する重要領域として位置づけ推進している。本講演では、バイオものづくりの現状や関連施策とともに、当局の取組内容について紹介する。

 

2.微細藻類事業のブレイクスルー:微細藻類バイオマスの次世代生産法  (13:30~14:30)

  (スピーカー) 京都大学大学院人間・環境学研究科 教授   宮 下 英 明 氏

  (コーディネーター)  新日本理化株式会社 竹 上 明 伸 氏

微細藻類バイオマスには、健康食品やバイオ燃料をはじめ極めて多様な用途への応用が期待されています。その一方で生産コストの問題から事業化例は僅かです。本講演では、有用株の探索事例に加え、近年我々の取り組んでいる次世代微細藻類バイオマス生産法の基本概念と課題など、コスト削減のための研究事例について紹介いたします。

◎ 新技術・新製品紹介

① バイオサーファクタント「SOFOROⓇ」の環境浄化への活用  (14:40~15:20)

サラヤ株式会社 サラヤ総合研究所 バイオケミカル研究所 係長  熊 野 亘 氏

近年、微生物が産生する界面活性剤であるバイオサーファクタント(BS)が注目を集めている。当社ではBS の一種であるソホロリピッドを原料開発(以下SOFOROⓇ)し、環境浄化に有用であることを見出した。本講演では、SOFOROⓇの特長について概略し、原発事故による放射性物質の除染や工場跡地の土壌汚染への実例を紹介する。

 

ロジンを起点とした製品開発  (15:20〜15:50)

荒川化学工業株式会社 研究開発本部 フォレストケミカル開発部 TFグループ 主査 柳 生 義 貴 氏

ロジンとは、松から得られる松やにを精製した天然樹脂であり、当社は独自の誘導化技術を活かして、粘着付与剤や製紙用サイズ剤、印刷インキ用樹脂などの製品を製造販売している。近年は新たな用途として、プラスチック改質剤や抗菌・抗バイオフィルム剤向けの製品を開発しており、本講演ではこれらの詳細について紹介する。

 

③ セルロースナノファイバーを用いたフィルター  (16:00〜16:30)

安積濾紙株式会社 営業部 営業企画室長 森 和 成 氏

弊社は長年濾紙に関する製品開発を続けてきております。今回セルロースナノファイバーを用いてセルロースタイプの高効率かつ高流量が確保できる新規カートリッジフィルタを開発いたしましたのでご紹介させていただきます。また、本製品を利用した濾過工程の生産性向上の実例についてもご紹介させていただきます。

 

④ レンゴーのセルロース関連技術  (16:30〜17:00)

レンゴー株式会社 中央研究所 研究企画部企画第二課 齋 木 輝 氏

レンゴーではセルロース事業においてセロファンをはじめ、セルロース素材でできた微粒子であるビスコパールのユーザー展開を進めている。本講演ではこれらの製品とともに、もう一つのセルロース素材であるセルロースナノファイバーについても、最新の技術を含めてご紹介する。

 

⑤ 微細藻類を用いた有用物質生産の事業化  (17:00〜17:30)

株式会社クボタ グローバル技術研究所 次世代研究第三部 バイオチーム 松 本 光 史 氏

脱炭素・低炭素社会に向けた取り組みが世界潮流となっている。微細藻類はCO2 を光合成により物質変換でき、条件によっては非常に効率よく生産することができることから、脱炭素・低炭素・カーボンリサイクル技術として期待されている。本公演では、微細藻類による有用物質生産の事業化における必要技術について紹介したい。

申込要領

定             員 100名(申込先着順)

参   加   費 12,000円(消費税を含む。当日受付にていただきます)

申   込   先 〒536-8553 大阪市城東区森之宮1-6-50  (地独) 大阪産業技術研究所森之宮センター内

お問い合せ先  一般社団法人大阪工研協会宛 TEL(06)6962-5307 FAX(06)6963-2414

                     E-mail: info@osakaira.com   https://osakaira.com

◎参加ご希望の方は申込書にて2024年7月16日(火)までにお申し込み下さい。

WEB(イベント情報)からの申込みも可能です。