イベント情報

第118回ニューフロンティア材料部会例会

社会問題化したPFAS 規制の動向と今後の対応

―回収・廃棄、代替化および分解・再資源化技術―

ご  案  内

PFAS は、Per and Polyfluoroalkylsubstances の略であり、構造の中に2 つ以上のフッ素原子を有する有機フッ素化合物の総称です。PFAS は、炭素原子と水素原子からなる有機化合物と比較して、耐熱性、耐薬品性、難燃性、耐候性などに優れており、低分子量のガス状物質から高分子量のポリマーまで含め、現在では10,000 種を超える化合物が開発されています。ところが、PFASはその難分解性に起因する環境汚染性と、人体への毒性が懸念される物質であり、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs 条約)などの国際条約や、国内法の「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)の規制対象物質に指定されております。また、PFASは、国内の河川や飲料水において、基準値以上の濃度を示す事例が確認され、近年、社会問題化しており、PFAS 問題に対する対応が国・企業として求められています。そこで今回の講演会では、話題提供の1 題目として環境省の清水様より、PFAS に関する環境省の取組をご紹介いただきます。2題目の神奈川大学の堀教授には、PFAS の分解無害化・再資源化反応についてご紹介いただきます。企業様からの新技術・製品紹介では、ダイネン㈱の方から早期から製品化されたPFAS 除去用活性炭、DIC㈱の方から半導体・オブ・ザ・イヤー2024 を受賞のPFAS フリー界面活性剤、大阪ガスケミカル㈱の方から着雪防止・落雪促進性能を有するPFAS フリー非粘着コーティング剤、そしてユニチカトレーディング㈱の方から耐洗濯撥水性を持つ環境配慮型持続撥水素材についてご紹介いただきます。PFAS に関する規制や今後の課題、必要とされる技術・素材など、多くの企業の皆様にとって、関心を持っていただける講演会になっております。多数の皆様のご参加をお待ちしております。

事業名  第118回ニューフロンティア材料部会例会
開催日  2024年12月9日(月) 13:00より
場 所 (地独)大阪産業技術研究所  森ノ宮センター 3階 大講堂
定 員 100名(申込先着順)
参加費  12,000円(消費税を含む。当日受付にていただきます)
パンフレット  【PDF】第118回ニューフロンティア材料部会例会

プログラム

◎ 話題提供(13:00 ~ 14:30)

1.有機フッ素化合物(PFAS)に関する環境省の取組  (13:00~13:30)

  (スピーカー) 環境省 水・大気環境局 環境管理課 有機フッ素化合物対策室 主査 清 水 俊 貴 氏

  (コーディネーター) 荒川化学㈱ 取締役 兼 研究所長 兼 研究開発部長 兼 品質担当 岡 崎 巧 氏

環境省は、PFAS に対する総合的な戦略等を検討する事を目的として、昨年1月に「PFAS に対する総合戦略検討専門家会議」を設置した。昨年7月に同会議において「PFAS に関する今後の対応の方向性」が取りまとめられ、現在、環境省は同対応の方向性を踏まえ、PFAS に対する各種取組を進めている。本題目では、同対応の方向性を踏まえたこれまでの環境省の取組やPFAS に関する国内外の動向等について御紹介する。

 

2.産業用有機フッ素化合物の分解無害化・再資源化反応の開発  (13:30~14:30)

  (スピーカー) 神奈川大学理学部 教授   堀 久 男 氏

  (コーディネーター)  ㈱片山化学工業研究所 開発本部 主席研究員 小 谷 安 夫 氏

有機フッ素化合物は耐熱性や耐薬品性等の優れた性質を持つため多くの産業で使われてきた。しかしながら周知の通り一部の化合物については有害性が明らかとなり,製造や使用に関する規制がポリマー物質まで含めて検討されつつある。このため廃棄物を適切に処理することが必須となっている。また,これらの原料である蛍石の産出は数か国に偏在しているため,再資源化することも求められている。そこで本講演ではフッ素ポリマーや電気化学用PFAS 類など,今なお必要不可欠な材料を中心に,演者が開発してきた分解および再資源化方法について紹介したい。

◎ 新技術・新製品紹介 (14:50〜16:50)

① PFAS 除去用活性炭の取組について (14:50~15:20)

ダイネン株式会社 環境事業部 技術サービス課 副部長  桑 原 貴 史 氏

近年、全国各地で井戸水や水道水などからPFAS の検出が相次いでいるが、PFAS の除去には活性炭による吸着除去が有効とされている。本日の講演は『活性炭とは・吸着とは』といった基本的な内容と、PFAS除去に適した活性炭の特性についてご説明する。また令和3~5 年度に沖縄県企業局北谷浄水場へ活性炭を納入した事例と地下水や最終処分場排水への取り組みもご紹介する。

 

DIC 界面活性剤の機能発現のメカニズムと高性能PFAS フリー界面活性剤の開発  (15:20〜15:50)

DIC 株式会社 千葉工場ケミトロニクス事業本部 植 野 純 平 氏

ディスプレイ構成部材には、表面平滑性(レベリング性)が求められ、フッ素系レベリング剤が使用されている。しかし昨今、その使用にあたり環境への潜在的リスクから欧米を中心にPFAS 規制の議論が進行され、代替品が強く求められている。当社は、世界的に高まるサステナブルニーズへの先行対応として、PFAS フリーレベリング剤の開発に着手しており、本発表ではその取り組みを紹介する。

 

③ PFAS フリー非粘着コーティング剤のご紹介 -シリセラコート®シリーズ, エコシラコート® SR20-  (15:50〜16:20)

安積濾紙株式会社 営業部 営業企画室長 森 和 成 氏

弊社ではモノが付着しない・付着しにくい性質である「非粘着性」を付与するシリコーン系コーティング剤を扱っている。焼付タイプのシリセラコート8022(食品衛生法ポジティブリスト対応)、常温硬化タイプの9021CL、フィルム向けのSG-3(開発品)などの製品がある。今回は、一般的なフッ素コーティングと比較して、同等以上の着雪防止・落雪促進性能を有するエコシラコートSR20 を中心に紹介する。

 

④ 環境配慮型持続撥水素材「タクティーム」  (16:2 0〜16 :5 0)

ユニチカトレーディング株式会社 技術開発本部 技術開発部 八 木 優 子 氏

サステナブル社会の実現に向けて、繊維業界でも環境負荷低減素材の採用が広まっている。中でも繊維製品に広く使用されているフッ素系撥水剤に対する規制が強化されているが、非フッ素系撥水剤はフッ素系撥水剤に比べると撥水性が劣り、洗濯を繰り返した際の撥水性の耐久性にも課題がある。今回は糸の構造から工夫することにより撥水性を底上げした環境配慮型撥水素材「タクティーム」を紹介する。

申込要領

定             員 100名(申込先着順)

参   加   費 12,000円(消費税を含む。当日受付にていただきます)

申   込   先 〒536-8553 大阪市城東区森之宮1-6-50  (地独) 大阪産業技術研究所森之宮センター内

お問い合せ先  一般社団法人大阪工研協会宛 TEL(06)6962-5307 FAX(06)6963-2414

                     E-mail: info@osakaira.com   https://osakaira.com

◎参加ご希望の方は申込書にて2024年11月28日(木)までにお申し込み下さい。

WEB(イベント情報)からの申込みも可能です。