イベント情報

第121回ニューフロンティア材料部会例会

カーボンニュートラル社会の実現に貢献できる新材料・新技術

~ケミカルリサイクル、マイクロ波によるプロセス革新、二酸化炭素分離膜およびバイオマス活用などの新技術~

ご  案  内

地球温暖化をはじめとする気候変動問題への対応として、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)が1995 年から毎年開催されて世界での温室効果ガス排出量削減に向けて議論を行っており、世界各国が「2050 年カーボンニュートラル」を目指している。我が国も2050 年までに「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指す」と宣言しており、多方面での脱炭素の取り組みが求められている。そのため、脱炭素社会の構築に向け、二酸化炭素等の温室効果ガスを削減できる革新的な技術開発およびその実用化・普及拡大が急務となっている。地球温暖化の原因となっている二酸化炭素を少しでも削減する取り組みとして、特に材料分野ではマテリアルリサイクル、あるいはエネルギー効率に優れ、かつ二酸化炭素の発生率の少ないケミカルリサイクル技術等の確立が求められる。また、従来の化石原料でなくバイオマスを利用した材料開発にも期待が寄せられている。さらに使用エネルギー削減による二酸化炭素排出抑制の面から、ライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)体制構築、分離膜の高度化による二酸化炭素の回収の推進、効率的生産による省エネ技術等にも期待が高まっている。
今回の講演会では、話題提供1題目として産総研の 南 上級主任研究員より、難分解性プラスチック材料のケミカルリサイクル関連技術についてご紹介いただきます。2題目はマイクロ波化学㈱の塚原代表取締役CSO にマイクロ波が拓く脱炭素時代のプロセス革新についてご紹介いただきます。
新技術紹介では、二酸化炭素分離膜の取り組みについて日東電工㈱の井原様に、レンゴー㈱の杉山様からは海洋分解性のある各種セルロース製品の応用展開についてご紹介いただきます。さらに長瀬産業㈱の古川様からは同社が主催する環境・サステナビリティコンソーシアムの取組についてご紹介いただきます。
カーボンニュートラル社会の実現に貢献できる新材料・新技術について興味深い各社の試みを学べる絶好の機会となっておりますので、多数の皆様のご参加をお待ちしております。

事業名  第121回ニューフロンティア材料部会例会
開催日  2025年12月3日(水) 13:00より
場 所 (地独)大阪産業技術研究所  森ノ宮センター 3階 大講堂
定 員 100名(申込先着順)
参加費  12,000円(消費税込) 銀行振込または当日現金払い
パンフレット  【PDF】第121回ニューフロンティア材料部会例会

プログラム

◎ 話題提供(13:00 ~ 15:00)

1.難分解性プラスチック材料のケミカルリサイクル関連技術の開発に向けた取り組み  (13:00~14:00)

  (スピーカー) (国研)産業技術総合研究所 上級主任研究員 南 安 規 氏

  (コーディネーター) 大八化学工業株式会社 商品開発部 部長 大 川 隆 史 氏

有機資源の永続利用に向けた技術開発は、今や世界的な課題である。スーパーエンジニアリングプラスチックやエポキシ樹脂は、その優れた堅牢性、安定性から、輸送機や先端機器の開発において不可欠な樹脂材料である。一方、その安定性ゆえケミカルリサイクルは困難であった。本講演では、こうした高安定樹脂の再原料化への取り組みについて、演者の最近の成果を中心に紹介する。

 

2.マイクロ波プロセスのグローバルスタンダード化 ~カーボンニュートラルのキーテクノロジー〜  (14:00~15:00)

  (スピーカー) マイクロ波化学株式会社 取締役 CSO 塚 原 保 徳 氏

  (コーディネーター) パナソニックインダストリー株式会社 シニアエキスパート 北 村 賢 次 氏

第3のエネルギー伝達手段であるマイクロ波は、従来の化学プロセスを省エネルギー・高効率・コンパクトにすることを可能にする。また、再生可能エネルギーによる電化とマイクロ波プロセスを掛け合わせることで、CO2 排出量も大幅に削減することができ、産業部門のカーボンニュートラルを実現する。

◎ 新技術・新製品紹介 (15:15〜16:55)

① 膜分離によるCO₂分離・回収と社会実装に向けた取り組み (15:15~15:45)

日東電工株式会社 分離技術研究センター長 井 原 輝 一 氏

世界的にカーボンニュートラルへの取り組みが加速する中、CO₂の分離・回収技術や炭素資源の循環的な利活用技術が脱炭素化への貢献として期待されている。再生可能エネルギーが活用可能な省エネルギー手法となる気体分離膜の社会実装に向けた開発状況を紹介するとともに、回収したCO₂の有効利用を実現するための弊社の研究トピックスについても取り上げる。

 

海洋課題の解決に挑戦するレンゴーのセルロース製品について  (15:50〜16:20)

レンゴー株式会社 化学品・セルロース商品開発本部 副本部長 杉 山 公 寿 氏

海は多様な生物が織りなす均衡の取れた生態系であるが、人間の活動によりそのバランスが脅かされている。2050 年には海洋プラスチックごみが魚の重量を超えると予想されており、日本沿岸でも藻場の減少による海の砂漠化が深刻化している。当社では、藻場の再生や海の環境を守るため、長年培った段ボール技術や海洋でも生分解可能なセルロース製品を活用した取組みを行っている。

 

③ 長瀬産業が主催する環境・サステナビリティコンソーシアムの取組  (16:25〜16:55)

長瀬産業株式会社 スペシャリティ―ケミカル事業部 古 川 翔 一 氏

環境・サステナビリティに関連する情報を取引先へ共有し、各社の経営層との対話を通じて各社の考え方やお困りごとを理解することを目的に2022 年より「環境・サステナビリティコンソーシアム」を開催している。同コンソーシアムでのCFP(カーボンフットプリント)分科会の取組は第21 回LCA 日本フォーラムの奨励賞を受賞した。本講演では、これまでの本コンソーシアムでの取組について紹介する。

◎ 名刺交換会 (17:00〜17:30)

申込要領

定             員 100名(申込先着順)

申 込 方 法 〇WEB からの申込み:当協会のホームページの中の

        「お問い合わせ(イベント・セミナーの参加お申込み)」

        https://osakaira.com/event)からお申込み下さい。

        〇FAX、E‐mail からの申込み:申込書にご記入後、

        ご送付ください。

申 込 締 切 日  2025 年11 月21 日(金)

参   加   費 12,000 円(消費税込) 銀行振込または当日現金払い

お問い合せ先 E-mail:info@osakaira.com TEL(0 6)6962-5307

        FAX(06)6963-2414