イベント情報
第51回 有機合成セミナー(2019)
「巧みな創意工夫に基づく化学技術」
現代の社会では、医薬品、光学材料、電子材料、各種機能性材料など広い分野において多くの有機化合物が多彩な形態で利用され、機能しており、それらの製造における基盤技術として、有機合成は非常に大きな役割を果たしています。また、開発現場では、生産性の向上、安全でクリーンな製造プロセスが図られ、性能の高度化や新機能の付与、次世代を担う先端材料の開発を目指し、創意工夫が繰り広げられています。
本セミナーでは、“巧みな創意工夫に基づく化学技術”について、有機合成反応と共に、有機材料に関わる機能や製造技術などを含め、各種の情報を紹介いたします。マイクロカプセル化によるサーモクロミズムの実現、ペプチド医薬品開発に資する非天然α-アミノ酸の高立体選択的合成、フローケミストリーを利用した機能材料の精密合成、それらの設備と連続製造技術、多様な誘導体化が可能なトリアジン骨格を中心として特性を活かした新規反応剤の開発について、これらの分野の第一線で活躍されている先生方に、わかりやすく解説していただきます。
研究開発に取り組まれている有機合成分野の技術者はもとより、様々な技術展開を視野に入れておられる研究者、研究企画や管理に携わっておられる方々にも有益な情報を得る場となり、お仕事のステップアップにもお役立ていただけるものと考えております。ぜひ、この機会にご参加いただきますよう、ご案内申し上げます。
事業名 | 第51回 有機合成セミナー(2019) |
開催日 | 2019年10月23日(水) |
場所 | (地独)大阪産業技術研究所 森之宮センター |
主催 | (一社)大阪工研協会 |
後援 | (地独)大阪産業技術研究所 |
協賛 | (一社)近畿化学協会、ファインケミカルズ研究会 |
パンフレット | 【PDF】有機合成セミナー |
―セミナー内容―
◎ マイクロカプセルを使った温度応答性変色インキ……………………………………………(9:30~10:40)
㈱サクラクレパス 中央研究所 中 村 慶 子
温度によって可逆的に変色する色材の一つにマイクロカプセルがある。化学反応によって色が出たり消えたりするが、組成物が全てカプセルに入っているため、可逆的に何度でも変色することができる。またミクロンオーダーのカプセルであるため、印刷インキにして使用することが可能である。本講演では弊社で製造、販売しているTC(Thermo Chromic)カラーについて紹介する。
◎ 非天然α-アミノ酸の実用的かつ高立体選択的合成方法の開発……………………….. (10:50~12:00)
浜理薬品工業㈱ 取締役 経営企画本部長 森 脇 浩 樹
近年、ペプチド性中分子医薬の開発が注目されてきており、それを創薬のターゲットとした医薬品の開発が企業で活発に行われている。これら最近のペプチド医薬品は、分子内に非天然α-アミノ酸を有する特殊ペプチドが多く、将来的には医薬品市場を一変させる可能性を秘めている。本セミナーでは、ペプチド医薬品の開発に貢献する目的で、実用的かつ経済的な非天然α-アミノ酸の高立体選択的合成方法の研究について報告する。
◎ DENEB®触媒を用いた水素移動反応と連続フロー製造への展開…………………… (12:45~13:55)
高砂香料工業㈱ 研究開発本部 ファインケミカル研究所 桑 名 雅 宏
DENEB®はRu金属を中心として酸素を含む架橋構造をもつユニークな錯体分子である。きわめて優れた水素移動反応の触媒として働き、多種多様の基質に対応できる。このDENEB®を用いた水素移動反応を鍵反応として、近年関心の高まりつつある連続フロー製造の技術を取り入れたセラミドの製造へと展開した。本講では連続不斉水素移動反応を中心に、併せて製造に使用した装置や技術の一部を紹介する。
◎ フロー合成法を用いるファインケミカル製造………………………………………………. (14:05~15:15)
富士フイルム㈱ シニアアドバイザー 山 川 一 義
香料、電子材料、医農薬中間体などに代表されるファインケミカルは、フラスコ相似形の反応釜を用いて99%バッチ法で製造されている。多くの官能基を有する複雑な構造を有するファインケミカルの探索研究から製造化に至るまで、高選択的、高効率な反応が用いられている。21世紀初頭から京都大学吉田教授を中心とするグループで検討された「フラッシュケミストリー」は、バッチ法と異なり、不安定中間体を経由する反応などの製造に有用な手法であり、実用化検討が進められている。フラッシュケミストリーの特徴を生かし、かつ製造化可能な反応事例を紹介する。富士フイルムグループとして連携し、合成処方設計~精密反応制御~生産プロセス開発を一貫して行える開発体制と生産設備(設計)を組合せ、多品種少量生産から100t/年レベルの大量生産まで対応している。さらに次世代のプロセス技術として期待される固体触媒を用いる連続合成についても簡単に紹介する。
◎ 実用性を指向した新規反応剤の開発……………………………………………………………. (15:25~16:35)
金沢大学 医薬保健研究域 薬学系・教授 国 嶋 崇 隆
化学量論量の使用を必要とする合成反応剤において特に求められる特性として、低毒性や安全性、保存や使用に耐えうる安定性、安価に合成・購入可能な経済性などがあげられる。我々の研究室では、1,3,5-トリアジン化合物がこうした特性を有していることに加え、官能基導入が容易で様々な誘導体を合成できることに着目し、トリアジン骨格を中心とする種々の反応剤を開発してきた。本講演ではこれらの反応剤について紹介する。
申込要領
◎受 講 費 …… 大阪工研協会会員 13,200円
協 賛 団 体 会 員 13,200円
一 般 22,000円
※テキスト、消費税含む
◎全 体 定 員 …… 100名(申込先着順)
◎申込〆切日 …… 2019年10月16日(水)
◎申 込 方 法 …… 受講申込書に必要事項を明記のうえFAXまたはE-mailにてお申し込みください。
WEB(イベント情報)からのお申込みも可能です。
◎申込・問合せ先 ……(一社)大阪工研協会
〒536-8553 大阪市城東区森之宮1-6-50
(地独)大阪産業技術研究所 森之宮センター内
大阪工研協会講習会事務局 TEL 06-6962-5307 FAX 06-6963-2414
E-mail:info@osakaira.com https://www.osakaira.com
◎送 金 方 法 …… 現金書留または三菱UFJ銀行今里北支店「大阪工研協会講習会事務局」
普通預金口座(口座番号0979828)へ
◎受 講 券 …… 受講費払込みと同時に発行いたします。
お申込みいただいたお名前等の個人情報は、受講確認および今後の講習会ご案内以外の目的には使用いたしません。