イベント情報
バイオ実習セミナー
-微生物・細胞取扱いと検査・試験の基本操作-
微生物は身の回りに広く存在しています。これらの微生物は、抗生物質などの発酵生産、酒・味噌などの醸造、排水処理、乳酸菌によるプロバイオティクスなどでヒトに役立っている反面、食中毒や感染症、疾病の増悪化に関与したり、工業製品の品質劣化の原因になったりしており、ヒトにとって有害でもあります。そこで、微生物被害に対する対策、微生物対策を付加価値とする製品(抗菌製品等)開発などに取り組む際、衛生検査や微生物試験、安全性試験は不可欠あることから、微生物や細胞を正しく取り扱う技術を習得しておくことが重要です。
そこで、製造、開発、品質管理などに必要な微生物の取り扱いや、微生物・細胞を用いた簡易な試験・検査、細菌の系統解析について、基礎的な知識と技術の習得を目的としたセミナーを企画いたしました。本セミナーでは、(地独)大阪産業技術
研究所の研究員が、背景や原理、実験手法や留意点などをわかりやすく解説すると共に、参加者の方々に各項目の実習を行っていただきます。
なお、本セミナーでは実験や試験の実施から結果の判定や評価に至るまでの一貫した工程を実際に体験していただけるよう日程を組んでおります。研究開発や品質管理に携わっておられる方々、微生物制御に興味をお持ちの方々、これから微生物関連業務を予定されている方々、新人技術者の方々など、是非この機会にご受講下さいますようご案内申し上げます。
なお、実施に際しては新型コロナウイルス感染症防止に取り組みますので、ご協力をお願いいたします。
事業名 | バイオ実習セミナー |
開催日 | 2020年10月29日(木)、30日(金)、11月2日(月) 2または3日間 |
場所 | (地独)大阪産業技術研究所 森之宮センター |
主催 | (一社)大阪工研協会 |
後援 | (地独)大阪産業技術研究所 |
協賛 | 産技連ライフサイエンス部会、(公社)日本食品科学工学会、(公社)日本生物工学会、(公社)高分子学会 関西支部、
繊維加工技術研究会、バイオ産業研究会 |
パンフレット | 【PDF】バイオ実習セミナー |
- スケジュール -
10月29日(木) | 10月30日(金) | 11月2日(月) | |
基礎コース1 (定員10名) |
9:15~9:30 オリエンテーション 9:30~12:30 A 実習 13:30~16:30 選択 B~F 実習 |
9:30~12:00 選択 B~F 実習と評価 13:00~14:00 A 観察と評価 |
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基礎コース2 (定員10名) |
9:15~9:25 オリエンテーション 9:30~12:30 A 実習 13:30~16:30 選択 B~F 実習 |
13:00~14:00 A 観察と評価 14:15~16:45 選択 B~F 実習と評価 |
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応用コース (定員8名) |
13:15~13:25 オリエンテーション 13:30~16:30 選択1 B~F 実習 |
13:30~16:30 選択2 B~F 実習 |
9:30~12:00 選択1 B~F 実習と評価 13:00~14:00 希望者は施設見学 14:15~16:45 選択2 B~F 実習と評価 |
基礎コースはAと 、B~Fの5項目の中から選択した1項目を(2日間)、応用コースは、B~Fの5項目の中からご希望の2項目を受講いただきます(3日間)。裏面の申込書に、ご希望のコースと項目をご記入下さい。
(注)例年より定員を削減して実施致します。コースと実習項目の選択希望は先着順、定員で募集を締め切りますので、早めのお申し込みをお願いいたします。各選択枠で定員に達した場合は、別途ご連絡させて頂き、ご了承の下で、実習の選択1と選択2を入れ替えさせて頂きます。
- 実習内容 -
A 基礎的な微生物の取り扱い(定員: 1回 10名)
大阪産業技術研究所 畠中芳郎,大本貴士,渡辺 嘉,大橋博之,吉井未貴
微生物を取り扱う際に必要な基礎知識と、実際の作業を行うにあたっての技術的配慮について概説し、実習を通して習得する。微生物試験、検査だけではなく、広く微生物の利用や性質の改変を目指す際にも役立つ内容とする。無菌操作、植菌方法、希釈方法、継代方法など、微生物の取り扱いが初めての方を想定した基礎的な実習を行う。
実習項目:植菌(カビ、細菌)、生菌数測定(菌液の希釈と平板への塗沫、生菌数測定)など
B 走査電子顕微鏡による生体試料(微生物・食品)の観察(定員: 1回 2名)
大阪産業技術研究所 畠中芳郎,山内朝夫
生物試料は一般的に柔らかく、水分を多く含んでいる。そのため、電子顕微鏡観察時の高真空と電子線の照射で損傷しないように、事前に化学固定、脱水等の処理をする必要がある。しかし、細菌などの浮遊性の微生物は、化学固定,脱水時の洗浄、溶剤交換などで細胞が流出する。本講では、微生物をプラスチックシートなどの担体に支持することで、細胞をロスせずに電顕試料調製をする方法について実習を行う。また、解像度は低下するが、未処理の試料を生のまま観察できる低真空電顕観察法についても実習する。試料の観察時には、電子顕微鏡操作の体験も予定している。
C 抗菌力試験(定員: 1回 6名)
大阪産業技術研究所 森芳邦彦,桐生高明
微生物の増殖を防ぎ、健康で衛生的な生活を送るための方法のひとつに抗菌・防かび加工があり、現在、これらの加工を施した日用品や衣類などが多く出回っている。これら製品の性能評価方法として、種々の抗菌・防かびに関する試験がJIS 規格などに規定されている。本講では、抗菌試験の一例として JIS Z2801 抗菌性試験:フィルム密着法の実習(試験菌の調製、試料への接種、生菌数測定)を行い、またその他の抗菌試験方法について概説する。また、防かび試験についてはJIS Z2911 かび抵抗性試験の実習を行う。
(注)本実習では、バイオセーフティーレベル2の微生物を一時的に取扱いますので、取扱い時に着ることのできる白衣などの持参をお願いします。なお、更衣室はご利用できません。
D 微生物検査の基礎(定員: 1回 4名)
大阪産業技術研究所 永尾寿浩,山中勇人
食品、化粧品、医薬品をはじめとした身の回りの製品の安全性が強く求められている。本講では、これらの製品の微生物管理に焦点を絞り、製造工程などにおける自主検査に必要となる微生物検査法のうち基本的な方法について概説するとともに、主として食品を題材として実習を行う。
衛生指標菌検査(一般生菌数、大腸菌群)
食中毒起因菌検査(黄色ブドウ球菌など)
簡易迅速検査法(ATP法、合成酵素基質培地など)
(注)本実習ではバイオセーフティーレベル2の微生物を一時的に取扱いますので、取扱い時に着ることのできる白衣などの持参をお願いします(11月2日のみ)。なお、更衣室はご利用できません。
E 製品の細胞毒性評価(定員: 1回 2名)
大阪産業技術研究所 木曽太郎
医薬品はもちろんのこと、化粧品をはじめとする様々な化成品や化合物はヒトへの安全性が要求される。そのため、動物実験の代替法として、あるいは対象物質のスクリーニング法として、培養細胞を用いた安全性の評価試験は重要性を増している。そこで、本講では培養細胞による試験の解説と、動物細胞を培養する際の基本的な操作について実習を行う。
F 細菌の簡易・迅速同定のための分子系統解析(定員: 1回 4名)
大阪産業技術研究所 駒 大輔,田中重光
16S リボソーマルDNA の塩基配列を用いた分子系統解析により、未知の細菌を簡易同定することが可能である。細菌学試験や生化学試験と比較して安価で迅速に細菌種を推定することが可能なので、ルーチンワークや多くのサンプルを処理する場合に威力を発揮する。本実習では、初心者を対象として、はじめに同定に関する基礎知識や同定の手順について説明を行う。また実際にDNA の抽出やPCR 法による16S リボソーマルDNA の増幅実験を行い、その後、コンピューターを用いた相同性検索や系統解析を通して未知細菌の属種を推定する。
申込要領
◎受 講 費
大阪工研協会会員 36,700円
協賛団体会員 36,700円
一般 47,400円
(テキスト、消費税を含む)
◎定 員
各項目に記載:申込先着順・各項目所定の定員になり次第締め切ります。
各コースのご希望の順番は先着順。
◎申込締切日
2020年10月20日(火)
◎申込・問合せ先
受講申込書に受講費を添えて次へお申し込み下さい。
WEB(イベント情報)からの申込みも可能です。
〒536-8553 大阪市城東区森之宮1-6-50
(地独)大阪産業技術研究所 森之宮センター内
大阪工研協会 講習会事務局 TEL 06-6962-5307 FAX 06-6963-2414
E-mail:info@osakaira.com
https://osakaira.com
◎送 金 方 法
現金書留または銀行振込
(三菱UFJ銀行今里北支店 普通預金 口座0979828「大阪工研協会講習会事務局」名義)をご利用下さい。
◎受 講 券
受講費払込みと同時に発行いたします。
お申し込みいただいたお名前等の個人情報は、受講確認および今後の講習会ご案内以外の目的には使用いたしません。