イベント情報
第122回ニューフロンティア材料部会例会
次世代高速通信社会を支える新材料・新技術
~メタマテリアルが開く未来~
ご 案 内
日本国内で第5 世代移動通信システム(5G)の利用が開始されてから5年ほどが経過し、通信エリアの人口カバー率としては98%を超えています。現在は、来たる2030 年代において社会基盤となる情報通信インフラとして、5G の次の世代の規格である「Beyond 5G, 6G」に関する国際標準の検討・策定が国際機関において行われています。5G における通信周波数が28 GHz であるのに対して、Beyond 5G, 6G においてはさらに高周波数の100 GHz 以上の電磁波の利用が検討されています。そして、この周波数帯では基板・導体などは誘電損失や導電損失の影響により既存の素材をそのまま用いることが極めて難しいとされ、そのために通常の素材では達成しえない性能を示す新材料、すなわちメタマテリアルが注目されているのです。
今回の例会では、次世代高速通信への応用が期待されるメタマテリアルについて研究しておられるお二方にメタサーフェスおよびメタコンダクターについて話題提供をいただきます。
新製品・新技術紹介では、高周波数帯域で使用される材料を開発しているメーカーや、それら新材料の物性・性能評価を行っている技術企業から、その最新動向について紹介いただきます。
また、参加者相互の情報交換と交流を深めていただくことを目的としまして、講演終了後に講師の方々を囲む名刺交換会を設定しておりますので、多数の方々のご参加をお待ちしています。
| 事業名 | 第122回ニューフロンティア材料部会例会 |
| 開催日 | 2026年2月27日(金) 13:00より |
| 場 所 | (地独)大阪産業技術研究所 森ノ宮センター 3階 大講堂 |
| 定 員 | 100名(申込先着順) |
| 参加費 | 12,000円(消費税込) 銀行振込 |
| パンフレット | 【PDF】第122回ニューフロンティア材料部会例会 |
プログラム
◎ 話題提供(13:00 ~ 15:00)
1.6G 無線通信のためのサブテラヘルツ帯メタサーフェス技術 (13:00~14:00)
(スピーカー) 大阪大学大学院基礎工学研究科 システム創成専攻 電子光科学領域 教授
真 田 篤 志 氏
(コーディネーター) パナソニックホールディングス㈱ グリーンイノベーションセンター
銭 谷 勇 磁 氏
サブテラヘルツ帯におけるメタサーフェス技術について概説する。特に、6G 無線通信で応用が期待されている、高効率な完全異常反射メタサーフェス反射板、反射ビームフォーミング可能なイリュージョン反射板、伸縮性基板材料を用いた動的ビーム制御可能なストレッチャブル反射板などについて、その原理から技術動向までを分かりやすく解説する。
2.高周波低損失導体メタコンダクターの6G 応用に向けた研究開発 (14:00~15:00)
(スピーカー) (国研)産業技術総合研究所 マルチマテリアル研究部門 主任研究員
鶴 田 彰 宏 氏
(コーディネーター) 大阪有機化学工業㈱ 事業開発室 先進技術研究所 担当部長
赤 石 良 一 氏
高周波デバイスにおける導体損失の起源である「表皮効果」を抑制し、導体損失を抜本的に低減可能な唯一の技術がメタコンダクターである。本講演では、メタコンダクターの動作原理の紹介と、産総研で実施するメタコンダクターの社会実装に向けた研究開発、100GHz 超の6G 周波数帯域における動作実現に向けた材料開発に関して話題提供を行う。
◎ 新技術・新製品紹介 (15:10〜17:00)
①高速通信に利用が期待される長鎖アルキルジ(メタ)アクリレートとビスマレイミドの開発 (15:10~15:35)
大阪有機化学工業株式会社 事業開発室 先進技術研究所 水 森 智 也 氏
5G/6G やクラウドコンピューティングなどの情報通信技術の進展に伴い、低誘電性と機械的強度を兼ね備えた材料への需要が高まっている。今回、当社は長鎖アルキルジ(メタ)アクリレートおよびビスマレイミド(LMI シリーズ)を開発した。これらの硬化物は、低い誘電率(Dk)および誘電正接(Df)を維持しながら、良好な靭性を示した。本講演ではこれらの詳細を紹介する。
② 環境調和型低誘電ポリイミドを用いた高周波対応基板材料の開発と実用化 (15:35〜16:00)
荒川化学工業株式会社 研究開発本部 ファイン・エレクトロニクス開発部 主査 中 村 太 陽 氏
5G など高周波通信の発展に伴い、プリント配線板では低誘電・高接着材料が求められている。当社は菜種油由来のバイオマスモノマーを導入した新規ポリイミドを開発し、高耐熱・高接着と低誘電特性を両立した。LCPに比べ低温硬化が可能で、低粗度銅箔との密着性にも優れるため、伝送損失を抑制できる。加えて、既存FPC 設備で製造可能であり、環境負荷低減とLCP 代替材料として高周波基板市場の拡大に貢献する。
③ 銀シードを用いる平滑基材へのめっきと回路形成 (16:10〜16:35)
DIC 株式会社 堺工場 ケミトロニクス技術本部 マネジャー 冨 士 川 亘 氏
高速・大容量通信を実現するため、低損失で信号を伝送する基板の開発が進められている。基材の低誘電化が開発の中心であるが、高周波帯では、導体の表面粗度に依存する導体損失の影響が無視できない。我々は、基材表面を粗化せず「平滑な界面」上に、銅配線を形成可能な銀シードめっき法を提案している。本講演では、高速リジッドPCB、半導体パッケージ基板への適用事例を紹介する。
③ 高ミリ波時代の到来と材料評価の重要性 (16:35〜17:00)
EM ラボ株式会社 代表取締役 柳 本 吉 之 氏
5G/6G 通信、車載レーダー、高速サーバーなどの進展により、社会は本格的に「ミリ波の時代」に突入しました。ミリ波領域では、誘電率の周波数依存性や表皮効果による導電率変化が顕著となり、精密な材料測定評価が不可欠です。本講演では、これらの課題を解決する共振器測定ソリューションを紹介します。
◎ 名刺交換会 (17:00〜17:30)
申込要領
定 員 100名(申込先着順)
申 込 方 法 〇WEB からの申込み:当協会のホームページの中の
「お問い合わせ(イベント・セミナーの参加お申込み)」
https://osakaira.com/event)からお申込み下さい。
〇FAX、E‐mail からの申込み:申込書にご記入後、
ご送付ください。
申 込 締 切 日 2026 年2月17 日(火)
参 加 費 12,000 円(消費税込)
お支払い方法 ◎銀行振込…申込受付後、請求書を送付致します。
お問い合せ先 E-mail:info@osakaira.com TEL(0 6)6962-5307
FAX(06)6963-2414